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歩く時、どこかが痛む方へ。間違った中心軸で歩いていませんか?


良い姿勢

って何でしょう。どんな姿勢を「良い」と思いますか?カッコイイ姿勢?動きやすい姿勢?歩くとどこかが痛む方、「もっと楽に歩けないかな」と思っている方、ちょっと気にしてみてください。


体そのものの立場から考えると、良い姿勢とは身体機能を最大限発揮できる姿勢であり、

・無理な力や重さがかからない

・無駄な力を使わない

・負担が集中していない

といった、「ムリ・ムダ・ムラ」を省いた楽な姿勢、と言うことができます。


言い方を換えると、なるべく多くの部分で分散して負荷を担い、かつエネルギー効率の良い姿勢、とも言えます。


あらゆる動作について、これらを意識した姿勢を心がけることは、過度の疲労や故障に悩まされることなく、体を長持ちさせる(健康寿命を延ばす)ことにもつながります。


具体的に「歩く姿勢」について見てみることにしましょう。


日本人の場合、運動としてのウォーキングでない限り、ほとんどの人は股関節より下ばかりを動かして歩きます。「なるべく楽に、動かす部分を少なく」という意識が働くのかも知れませんし、また日本民族の体格としてもある程度は仕方ないのですが、もっと広範囲の部位を使って歩行動作ができれば、却って部分ごとの負担が少なく、楽でスムーズに歩くことができます。


さて、そのためにはどうすればいいのでしょうか。


歩行動作は、単に体のイメージをシフトすることで変わります。画像で雰囲気を掴んで頂ければと思うのですが、歩く時にイメージする「脚の付け根」の意識を、股関節からみぞおちに変えるだけでいいのです。みぞおちを製図のコンパスのつまむ部分とイメージして、コンパスで円を描く時のように、脚を大きく前に振り出して歩いてみてください。





そうすることによって歩行動作が、体幹を中心軸とした大きな動きになるので、膝や腰に負担が集中しにくくなり、また重心移動がスムーズになります。加えてより大きく内臓が動かされるため、循環・代謝が良くなる、というオマケも付いてきます。







実際、このイメージシフトによって本来の機能が発揮しやすくなる筋肉は、みぞおちくらいの高さの背骨から大腿骨を吊り上げる形で支えている「大腰筋」という筋肉で、脚を前に振り出すための主要な筋肉であり、腹腔内では内臓に隣接しています。これがうまく使われることにより、周辺の小さな筋肉の負担が大きく軽減されます。また、この歩行姿勢が身に付くと、おしりの筋肉もうまく使えるようになって、ヒップアップも期待できます。


逆にこの大腰筋が何らかの理由でこわばって、動きが悪くなってしまっている場合、急にイメージシフトをしようとしてもうまく行かないことがあります。あらかじめ大腰筋が力を発揮できるよう、ある程度柔軟にしておく必要があるのです。









ただし、上記はすべて現代日本において一般的な、上肢と下肢が互い違いに前後に振られる歩行様式の場合です。左右同側の上肢・下肢が同時に前後に動く、いわゆる「ナンバ歩き」の場合はこの限りではありません。


良い歩行姿勢のもう一つ大事な要素としては「腹圧」があるのですが、それはまたの機会にお話ししましょう。


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