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「結合織マッサージ」とは


百年近く前に

開発された結合織マッサージは、表皮と筋肉の間の結合組織を対象とした徒手(道具を用いない)療法です。


ある時、鍼のみで慢性的な消化器や自律神経の症状に対応していて、なかなか結果が出ないことがありました。そんな時、ふと結合織マッサージを思い出して使ってみたところ、思いがけない変化が得られたのです。


消化器の内壁は、口や肛門で外側の表皮とつながり、地続きになっています。また発生段階で、皮膚と神経系は同じ外胚葉由来の組織なので、お互いに強く影響し合っています。ですから、この手法で症状に変化をもたらすことができるのは、当然と言えば当然とも言えます。


その後、様々なシーンで用いてみたところ、腸の症状(下痢、便秘、クローン病など)、神経症状(神経痛、しびれ、不定愁訴など)、運動時痛(五十肩、腰痛、膝痛など)、循環改善(冷え症、むくみ、肥満など)と、適応範囲がかなり広いことがわかりました。鍼灸と併用・使い分けをすることで、お互いが補い合い、さらに素早い変化を得られるようになりました。またオマケとして、皮膚に直接施すマッサージなので、継続して受けるとお肌の状態がどんどん良くなる、という方が多いです。


結合織マッサージにひとつ大きな欠点があるとすれば、それは症状が重いほど痛い、ということ。筋肉を揉みほぐすような一般にイメージされるマッサージとはまったく違う手法なので、強く揉んだ後につらくなる「揉み返し」のようなことはないのですが、皮下組織の癒着してしまっている部分を施術する時に、とても痛いのです。とはいえ、裏を返せば軽快するに従い痛みも軽くなるし、施術後は決まって「すごくスッキリしました!」という感想が聞かれます。


なお、欧米人に比べて日本人は、筋膜を含む皮下組織が繊細で傷みやすい人が多いようです。ちょっとぶつけただけでアザになるなど、内出血しやすい人は要注意です。それにさえ気を付ければ、そして当初の痛みにさえ耐えられれば、お悩みの方にはぜひ試してみて頂きたい方法です。


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