top of page

​各症状について

頭部の症状の多くは、頚部の緊張によって生じる血液・リンパ液の循環不良を原因として起こります。そのため施術としては頚部の緊張緩和が基本となりますが、その際、直接頚部に鍼を施すことは滅多にありません。頭部の各症状は、お互い影響を及ぼし合い、合併して生じる場合が多く見られます。

頭痛

虚血性頭痛、うっ血性頭痛、偏頭痛、群発性頭痛の他、目や鼻の症状に付随する頭痛や、頭蓋骨、頚椎のアンバランスによって起こる頭痛もあります。原因に即した対処法により、比較的早期(3診以内)に改善する場合が多く見られます。

副鼻腔炎

鼻の両側・上方の頭蓋骨内部には、副鼻腔と呼ばれる複雑な空洞があり、免疫力・排出力が低下した状態で風邪などの感染症にかかると、そこに入り込んだウィルスや雑菌により炎症が起き、膿が滞留してしまうことがあります。副鼻腔周辺が痛い・重い、鼻水が黄色く粘っこい、鼻の中が臭いなどの症状が12週以上続く場合は慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と呼ばれます。頭頚部の循環を改善するのと並行して、免疫力が高まるよう全身状態を整えると症状は軽減していきます。

耳鳴り・難聴

頚部の緊張により内耳の血行が阻害され、音を感じ取るための機能に不具合が起こることがあります。神経細胞が血行不良で機能低下を起こしている場合、一日でも早く血行を回復させることが大切です。虚血状態が長く続くと、神経細胞が壊死を起こし、聴力の回復が不可能になってしまうからです。

 

顎関節症

歯の噛み合わせのアンバランスで顎関節が不調になり、頚椎バランスを狂わせる場合もあります。いずれにしても歯の噛み合わせが根本原因であることが多いので、顎関節の状態までしっかり診て頂ける歯科や口腔外科を最初に受診されることをお勧めします。

視力低下

頚部の筋緊張がピント調節のための眼球周辺の微細な筋肉や神経・血行に影響することはもちろん、頭蓋骨の各部に不要なひずみを生じさせることで眼窩(眼球が収まっている頭蓋骨の穴)の形状が変化し、ピント調整に対して物理的・直接的に影響を及ぼしてしまうことがあります。

シワ・たるみ

加齢によって皮膚が老化し、水分・油分が減少して肌のハリが失われることも、当然シワの原因になりますが、実は筋肉(表情筋)のこわばりも大きく影響しています。表情筋が弛緩しにくくなると、それにつられて皮膚もクシャッと縮んだままになり、シワが固定されてしまうのです。

身体構造の軸である脊柱は、身体運動の軸でもあります。「背筋を整える」ことは、体のバランスを正常化するための基本と言えます。逆に脊柱にアンバランスがあると、すべての身体運動に悪影響を及ぼしてしまいます。

むち打ち

交通事故などで瞬間的に強い衝撃を受けた影響で、脊柱に大きな可動域制限が残ってしまう症状です。主に首が動かなくなるので、衝撃を受けた部分(=原因)は痛みのある首であると思われがちですが、実は他の場所であることがほとんどです。何ヵ月も首に対してケアを続けたのになかなか変化が出なかったものが、離れたところに鍼を1本施しただけですぐに首の動きが楽になってしまうことがよくあります。

 

椎間板ヘルニア

椎骨一つ一つの間で緩衝材の役割を果たしているのが椎間板(椎間円板)です。偏った強い力が繰り返しかかるなどにより、椎間板の真ん中の柔らかい部分が、外側の硬い部分を押し破って出てしまうのが椎間板ヘルニアです。下位頚椎と下位腰椎に好発しますが、必ずしもヘルニアが腰痛の原因になるとは限りません。

 

ぎっくり腰

身動きできないほどの痛みが急に起こる、西洋では「魔女の一撃」と呼ばれるぎっくり腰。原因は様々ですが、最も多いのは骨盤の関節のひずみです。軽いものなら骨盤調整により数秒で動けるようになりますが、お腹をこわしやすいなど体質的な素地がある場合は、ぎっくり腰を起こしにくい体を作るために骨盤と平行して全身調整を行う必要があります。また腰椎の疲労骨折や筋・筋膜の損傷が起こっている場合は、完治まで長くかかります。

 

腰部脊柱管狭窄症

脊髄が通る椎骨の穴の連なりを管に見立てて脊柱管と呼び、その内部が何らかの理由で狭まって神経圧迫が生じ、神経症状が起こる整形外科疾患です。これも上記の椎間板ヘルニアと同様、必ずしも痛みの原因とは限りませんが、継続的な強いしびれ・麻痺の症状がある場合は、手術が必要なこともあります。

taikan

上肢(肩~手の指先)と胸椎とはお互いに影響を及ぼし合う関係です。また肩甲骨と骨盤のかかわりも深いため、身体各部の連動性や、症状が起こるきっかけとなった出来事について、全身的な視野を持って把握・対応することが大切です。

muscle.gif

四十肩・五十肩

過負荷・過労や加齢による組織の脱水により、肩関節の構造や動きを支えるローテーター・カフ(回旋筋腱板)と呼ばれる組織のバランスが崩れ、痛みと可動域制限が生じます。構造の変化や炎症が落ち着いて体が馴れれば、痛みもいつの間にか消えますが、可動域制限は残ってしまうことが多いため、早めにケアを始めておくことをおすすめします。

腱鞘炎・ばね指

過負荷や過労により腱が腫れ、周囲から腱を支える腱鞘との間で摩擦が起きて、痛みや動作不良を生じる症状です。指先の動きを支える肩甲骨や脊柱のまわりなどを整えることにより、大半の症状は改善します。

テニス肘・ゴルフ肘

フォームや道具が筋力や体型に合っていないままでプレイを続けていると、体の一部分に負担が蓄積してしまい、故障が起こります。本来力を分担すべき部分がきちんと働けるよう調整できれば、自然にフォームが正され、故障がスムーズに治っていくことがほとんどです。

joushi

体重を支え、運動の起点となる下肢。少しの狂いが全身に波及してしまいます。速やかな改善のためには、症状の原因となる部分がどこなのか、注意深く見定めてアプローチすることが必要です。

坐骨神経痛
腰臀部などに何らかの神経圧迫があり、痛み・しびれ・だるさなどの神経症状が下肢に起こります。何も対処しなくても90%以上は6週間以内に症状が改善すると言われていますが、痛みや麻痺などの神経症状が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、神経を圧迫している筋肉を見付けてやわらげるなどの対処が必要になる場合もあります。

股関節痛・膝痛
下肢の関節は、全体重が乗った状態で運動するため、大きな負荷が頻繁にかかります。また内臓とも関連し、内科的な不調と連動して痛みが生じることもあります。近隣の関節同士が連動して働く場合が多いので、骨盤・股関節・膝関節・足関節はセットで症状を確認する必要があります。

外反母趾
一般的に、ハイヒールなどによる足趾の関節部分の圧迫が原因と思われていますが、スネ(前脛骨筋、長母趾伸筋)が不自然に緊張して母趾が外反方向へ引っ張られ続け、その影響で母趾の姿勢が固定されてしまう、ということの方が多いようです。

 

こむら返り

​ふくらはぎが急に強く痙攣して数秒から数分痛みが続く、いわゆる「つる」状態です。一時的な症状でなく、頻繁に起こる場合は、体質改善を図ったり食生活を改めたりする必要があることもあります。

kashi

内科的な症状や、神経や血管など全身の状態に関係する問題にも、鍼灸は有効です。多岐にわたる症状に対しての効果が確認されています。

アレルギー
抗原(アレルゲン)に対する過剰な免疫反応が起き、呼吸器や皮膚・粘膜に症状が出ます。対処としては、免疫機能の正常化と不要物質の排出力向上のため、腎臓と大腸の働きを高める施術を行います。

アトピー
アレルギーの一種と捉えられることが多いのですが、アレルギーの場合と比べて排出力よりも解毒力の改善すなわち肝臓の機能アップを図った方が、症状が改善しやすいことが確認されています。

冷え性
哺乳類には、褐色脂肪組織という体温を上げる働きのある組織があり、特に首~背中にかけての部分に多く分布しています。これを活性化するのが冷えを解消するには最も効果的です。並行して、冷えの気になる部分に血行不良が起こらないよう、こわばりを取り除いてゆきます。

婦人科症状
血液の偏在・不足やホルモンバランスの偏り、精神的ストレスの蓄積など、様々な原因が考えられますが、症状があるときに特徴的な体の緊張を取り去ると、意外に早く症状が改善することがあります。まずは体のつらさを軽減しつつ、症状・段階に応じた多角的なアプローチによって、本来あるべきバランスの取れた心身の状態を目指します。→もっと詳しく

便秘

食事やストレスなどによる急性の便秘の他、慢性的なものは大まかに
1.大腸全体の動きが悪い(女性に最も多い)
2.便が直腸まで来ているのに、便意が起こりにくい(高齢者に多い)
3.ストレスで直腸の動きが不安定(繊細な人に多い:下痢と便秘を繰り返す)
という3タイプに分けられます。

 

女性に一番多い「1」のタイプについては、全身の虚弱や骨盤内の血行不良などによって起こります。そのため、ほとんどの場合便秘単独ではなく、手足の冷えや生理痛、生理不順などの症状も伴っています。アプローチとしては、便秘症状そのものと共に、骨盤内の筋肉や内臓、循環器・呼吸器などに働きかけることによって、便秘を起こしにくい体を作っていくことになります。

便秘症状のみに着目した治療では、医療機関の便秘外来にしても、鍼灸マッサージや整体にしても、便秘解消は一時的なもので終わってしまうことがほとんどです。受診した時は良くなっても、すぐにまた滞ってしまうのです。慢性的な便秘を解消するためには、全身的な体質改善をベースにしたアプローチが必要です。

自分でできる効果的なセルフケアとしては、
1.腹式呼吸と深層筋ストレッチ
2.温活・腸活
3.夜は食べすぎず、しっかり寝る
ということになります。

自律神経失調症

​生活上さまざまなストレスを受けた結果、自律神経の働きのバランスが崩れ、様々な症状を引き起こします。過剰に活動している部分が沈静化されると、働くべきところが働き出し、徐々にバランスが取れてゆきます。

zenshin
bottom of page